「ピルを服用することで、女性特有の生理をプラスに変えていけるように」東京ヴェルディ女子ホッケーチーム 山下彰子さん

インタビュー
更新日:2023.08.22

mederiスポーツアンバサダーは、スポーツに取り組む女性アスリートが抱える生理/PMSをはじめとした女性の健康課題を年間サポートすることを目的に、一般公募で決定した6チームが参画しています。今回は、東京ヴェルディ女子ホッケーチーム(以下、東京ヴェルディ)の選手兼コーチ山下彰子さんへ「競技に取り組む想い」「スポーツと生理/PMSの課題」などについてお話を伺いました。

山下彰子(やました あきこ) 選手兼コーチ

幼少期からホッケーをはじめ、社会人選手として広島のコカ・コーラレッドスパークでの活動を経て、一度現役を引退。その後、東京に拠点を移したタイミングで、2023年より東京ヴェルディ女子ホッケーチームに所属し、現在は選手兼コーチとして活躍する。

【東京ヴェルディ女子ホッケーチーム】
2019年1月設立の東京ヴェルディホッケーチーム。ホッケーチームは『東京から世界を目指す女子クラブ』『ホッケーに触れられる場を多くの子どもたちに提供』『ホッケーを愛し、楽しむ“ホッケーファミリー“の育成』をビジョンとして掲げ、ホッケー教室やクリニックなどの競技普及活動も積極的に行います。2020年度は社会人大会ならびに全日本選手権の出場を目指し、2021年度には日本リーグへの参戦を目指します。
公式サイト:https://verdy.club/hockey/

 

現在取り組むホッケー競技について

現在のチーム活動について教えてください。

チームには選手が23名、そのうち私のようにスタッフを兼任する選手も数名いて、多くの選手は仕事と掛け持ちしながら活動しています。練習は、毎週木曜日にスキルのトレーニングを、土日のどちらかもしくは両方にチーム全体練習をしています。また週に1回は低酸素トレーニングの日があり、低酸素室でランニングをするなど各々メニューに取り組んでいます。

チームの活動場所は、基本的には品川区大井町にある大井ホッケー場です。東京オリンピックも開催されたスタジアムを拠点に練習しています。その他、週によっては土日に他チームとの練習試合があったり、現在はシーズン中なので、月に1回日本リーグの試合で東京を拠点にしながら、6月は岐阜、7月は栃木など地方遠征もあります。

 

働いている選手も多いと聞きましたが、仕事とホッケーを両立するコツはありますか?

チームにはアスリート契約で雇用していただいている選手もいれば、フルタイムで働いてる選手もいます。多くの選手は日中に仕事をしていて夜の時間に練習しているのですが、両立するコツは「ホッケー自体を楽しんでいること」だと思います。その楽しみのために仕事も頑張ろうというモチベーションです。

山下さんがホッケーを始めたきっかけを教えてください。

私は島根県の奥出雲町というところで生まれ育ったのですが、そこは日本で数ヶ所ある「ホッケータウン」といわれる町の一つなんです。子どもの頃から体育の授業でホッケーをしたり、地元の高校では野球部がない代わりにホッケー部があったりしました。そのような環境の中で自然とホッケーに出逢い、10歳から競技をはじめました。多くの人がサッカーや野球をする感覚で身近にホッケーをしていましたね。

 

社会人として東京ヴェルディに所属して、ホッケーを続けている理由はありますか?

私は今年から東京ヴェルディに入ったのですが、4年前までは現役選手として広島のコカ・コーラレッドスパークというチームに所属していました。現役を引退して一旦4年間競技を離れたあと、東京に拠点を置いたときに、東京ヴェルディに声をかけいただいたことがきっかけです。

ホッケーには、社会人チームで日本リーグに参戦しているチームが5つあり、そのうち4つが実業団で企業のサポートのもと仕事としてホッケーをしています。私が東京ヴェルディを選んだ理由は、このチームが主に「社会人」の集まりだったからです。アスリートでありつつ、一般企業で働く社会人でもある二面性の中で、人としても成長しながらホッケーができる点に魅力を感じました。

現在35歳の私ですが、30歳頃まではホッケーしかやってきませんでした。もっと違う視点も身につけることができないと、今後の人生を歩んでいくときに物足りないのではないかと考えていた中、東京ヴェルディで社会人として仕事も頑張りながらホッケーを続けられるチャンスがあり、今後の人生においてかなりプラスなことだと思い、この道を選びました。

競技に取り組む上で、ご自身のセールスポイントを教えてください。

私はストライカーとして点を取るポジションにいます。なので、選手としてはとにかく試合に勝てるように点をとることが自分らしさだと思います。また、コーチとしてアドバイスするときには、他の選手よりも経験が多い分、ストライカーならではの経験談や視点を常に伝えるようにしています。

 

選手兼コーチとして活躍される中で、競技を通してどういった姿をみせていきたいですか?

やはり「応援されるチームを作りたい」という想いがあります。東京ヴェルディはチームカラーが緑なので、競技場全体を観客の緑でいっぱいにするのが夢です。そのために、やはり一人ひとりが人としてもアスリートとしても「本当に応援したいな」と思ってもらえるようにしたいです。そのような人柄の選手が東京ヴェルディにはたくさんいるので、ホッケーというスポーツとしての魅力と、東京ヴェルディの選手個々の魅力、双方を発信していきたいです。

また、私はホッケー協会の仕事もしていて、そこではホッケーの普及を目的に、子どもたちがホッケーに触れられる機会をつくる活動を全国で行っています。たくさんの人にホッケーを知ってもらい、東京オリンピックがあった大井競技場に、多くの観客が来てくれるようにしていきたいと思います。

 

今後のチーム・個人としての目標はありますか?

チームとしては、まずは日本リーグでベスト4を狙っています。今年は現時点で4戦行って2勝しているので、10チームある中でトップ4チームに入りたいと思います。そして、他の選手からも東京ヴェルディに入ってみたいなと思ってもらえるチームにしたいです。

個人としては、ホッケーの認知度はまだまだ低く、チームを打ち出していくときに「ホッケーって何?」という点があると感じています。先ほども出てきたように、全国で子どもたちにホッケーを教える活動をしてるので、ホッケーというスポーツを多くの人に知っていただきたいですね。

また東京ヴェルディホッケーチームでは、木曜日の夕方に子どもたちへのホッケースクールも開催しています。品川区の子どもが参加していて、試合でエスコートキッズとして選手と手を繋いで入場したり、無料観戦もできるなど良い経験になるので今後も続けていきたいです。

スポーツと生理/PMSの課題について

競技中に生理/PMSで困った経験はありますか?

4年前まで日本代表の活動もやっていたのですが、私はPMSがひどく厳しかったです。生理前や生理中にお腹がいたくなったり、気持ち悪くなるなどの症状があったので、4年前までピルを服用していました。ピル服用に関して、はじめは抵抗がありましたが、慣れていくうちに体調を上手くコントロールできるようになったので服用してよかったなと実感しています。特に、1番改善を感じられたのがメンタル面。体だけでなく心の不安定さもケアできるという点が、選手にとってもメリットが多いところだと思います。

 

選手同士でも生理/PMSなどについて相談はしますか?

はい。私自身も若手選手からもピルを飲み始めたという話を聞いたり、ピル服用に関して迷っている選手から相談を受けることもあるので、自分の経験を元に意見を伝えています。

 

服用してから、ピルに対してのイメージは変わりましたか?

服用前は、「生理をコントロールする」ことに抵抗がありました。食事などもかなり気を使っていたので飲みはじめる時はかなり慎重でした。また、ピル飲み始めの3ヶ月はホルモンバランスが不安定で、不正出血も起こりやすい期間なので、最初の3ヶ月間が長く感じました。3ヶ月を過ぎるとホルモンバランスも安定し、生理がいつ来るのかわかるようになったことで不安が、安心感に変わりました。

ピルを飲む前は、「お腹痛くなってきたかも…」「胸が張ってきたかも…」という感覚があっても、すぐに生理がこず、練習中は苦しく、いざ試合当日に生理がきてしまい最悪な気分になることがあったんです。ピルを服用したことによって、生理のタイミングが明確になり、かなりストレスが軽減されました。

 

不安もあった中、ピル服用へ踏み切った理由はありましたか?

1番の理由は、自分の中で「お腹が痛い」「生理痛やPMSがひどい」ことに苦しんでいた時に、食事だけではどうしても解決ができなかったからです。
そして次に、周りの人からのアドバイスです。服用を迷っている時、すでにピルを飲んでいる方に相談をした際、「自分で生理をコントロールするということはアスリートにとって今は一般的だし全然大丈夫だよ」と声をかけていただいたことで、踏み切ることができました。

働いている選手も多いと聞きましたが、仕事とホッケーを両立するコツはありますか?

チームにはアスリート契約で雇用していただいている選手もいれば、フルタイムで働いてる選手もいます。多くの選手は日中に仕事をしていて夜の時間に練習しているのですが、両立するコツは「ホッケー自体を楽しんでいること」だと思います。その楽しみのために仕事も頑張ろうというモチベーションです。

 

他の選手からメデリピルに対する感想を聞いたことはありますか?

メデリピルについては、オンラインで全て完結し、ピルが手元に届くまでの手続きがスムーズだということを利用している選手からよく聞きます。強化指定選手に選ばれていると、国立スポーツセンター(JISS)でピルを提供していただくこともありますが、その他の選手はプライベートで産婦人科へ行っています。mederiスポーツアンバザーをきっかけに、メデリピルを利用している選手も少しずつ増えてきていますね。

ある選手からは、「仕事とホッケーで時間がない中、ピルを始めたいと思っていたものの病院に行く時間がなかなか作れなかったのですが、オンライン診療・ピル処方・配送をしてくれることで、すぐ始めることができたのがとてもよかった。」という感想をいただきました。産婦人科の先生にLINEで定期的に身体の状況をお伝えできるので、何かあればすぐオンライン相談できるところも好評です。

現在はご自身が周りにアドバイスしたり、相談できる環境を作っていく立場でもあると思います。心がけていることはありますか?

メンタル面では、「ホッケーを心から楽しもう」ということを意識しています。メンタルコーチについてもらっていた時期もあったのですが、現在はつけていません。以前は楽しもうという思いの一方で、試合や成績への責任感も大きかったです。
これはスポーツ界、そして子どもたちにも伝えたいことですが、個人としては「楽しむこと」をもっと強く意識していきたいと考えていて、行動もシフトしています。そのような視点が良い環境づくりにも繋がればと思います。

 

  最後にmederiスポーツアンバザーを通して伝えたいことを教えてください!

女性アスリートは、男性とは違い、毎月迎える生理による身体やメンタルの負担があります。女性特有の生理をマイナスに捉えすぎずに、ピルを服用することによって、自分自身のメンタル管理やパフォーマンスにも繋げてプラスに変えていけるよう、これからもいち女性アスリートとして発信していきたいです。

またホッケー界で、女性に特化した活動に取り組んでいるのは東京ヴェルディがコアかと思います。今後も女性アスリートならではの活動を積極的に発信し、スポーツ界をどんどん盛り上げていきたいと思います!

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