生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
女性ホルモンの働きとは?卵胞ホルモンと黄体ホルモンの違いや役割についても解説
女性の心や体は、女性ホルモンの影響を受けながら変化しています。しかし、女性ホルモンの種類や役割について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、生理周期や妊娠だけでなく、体調や気分の変化にも深く関わっています。
この記事では、女性ホルモンの働きや違い、生理周期との関係についてわかりやすく解説します。自分の体のリズムを理解し、日々の体調管理に役立てましょう。
もくじ
女性ホルモンとは
女性ホルモンは、主に卵巣でつくられる、体を女性らしく保つために大切な物質です 。女性ホルモンには「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の2種類があります。それぞれの働きや違いについて解説していきます。
そもそもホルモンとは
ホルモンは、体のさまざまな生命機能を維持するために存在する大切な物質の1つです 。ホルモンにいくつか種類があることは広く知られていますが、体の中には100種類以上のホルモンやホルモンに似た物質が見つかっているのです。これらは今後の研究でさらに発見されていくと言われています。
「ホルモンバランスが大切」とはよく言われますが、ホルモンは多すぎても少なすぎても健康に影響があるのです。血液の中にほんの微量しか含まれていないホルモンですが、とても繊細な物質ということが分かります。
女性ホルモンの働き
女性ホルモンは、生理や妊娠・出産をするためだけに働いているのではありません 。女性らしいボディラインを形成したり、ハリのある肌を保ったりとさまざまな働きをしています。生理前になると女性ホルモンの働きによって体調不良を起こすこともありますが、生殖機能を維持していくためには必要なプロセスの1つであることも覚えておきましょう。
女性ホルモンと生理の関係性
女性の体は約1か月を1つのサイクルとして、生理や排卵を繰り返しています 。この生理周期をコントロールしているのが、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンです。
エストロゲンには卵胞を育てて子宮内膜を厚くする働きがあり、プロゲステロンには受精卵が着床しやすい状態を維持する働きがあります。これらのホルモンが周期的に増減することで、生理や排卵が起こります。
正常な生理とは?
正常な生理周期は25〜38日間、生理の期間は3~7日程度と言われています 。ホルモンが正常に働いているかどうか、目に見える変化としてはわかりづらいですが、基礎体温を測っておくとサイクルを把握することができるでしょう。
ストレスと女性ホルモンの関係
女性ホルモンは、脳と卵巣が連携しながら分泌量を調整しています 。脳からの指令によってエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されることで、生理周期や排卵のリズムが保たれているのです。
しかし、強いストレスや過度なダイエット、睡眠不足などで心身に負担がかかると、ホルモン分泌をコントロールする脳の働きが乱れることがあります。その結果、卵巣への指令がうまく伝わらなくなり、女性ホルモンの分泌量や分泌リズムが乱れてしまいます。女性ホルモンのバランスが崩れると、生理不順やPMS(月経前症候群)の悪化、排卵障害などを引き起こすことがあります。
卵胞ホルモンと黄体ホルモンの違い
ここでは女性の生殖機能に関わるホルモンとして代表的な卵胞ホルモンと黄体ホルモンについて、その役割や違いについて解説していきます。
エストロゲン(卵胞ホルモン)の役割
卵胞ホルモンは女性らしさをつくるホルモンで、成長とともに分泌量が増え、生殖機能を発育・維持させる働きをもっています 。前述のように、女性らしい丸みのある体形をつくったり、コラーゲンの生成を促したりして、肌をみずみずしく美しく保つ働きもあります。
卵胞ホルモンの分泌量は20代後半で最も多くなります。その後、40歳前後から少しずつ分泌量が減少していきます。45歳を過ぎたころからこの分泌量は急激に低下し、50歳あたりになると閉経を迎えます。
プロゲステロン(黄体ホルモン)の役割
黄体ホルモンは妊娠を成立・維持するためのホルモンとして重要な役割をになっています 。排卵直後から分泌量が増え、受精卵が着床しやすいよう、子宮内膜を厚く保ちます。妊娠すれば子宮内膜を維持するよう働きかけます。妊娠が成立しなければ、黄体ホルモンの分泌量は急激に低下し、それによって子宮内膜が剥がれ落ちて生理が起こります。
このホルモンの急激な低下によって、PMS(月経前症候群)が発生しているともいわれています。
生理の仕組み
女性の体は約1か月を1つのサイクルとして、妊娠に備えて卵胞を育て、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚く整えていきます 。しかし、妊娠が成立しなかった場合は準備した子宮内膜が不必要になるので、体外へ排出されていきます。これが生理です。

【生理周期の流れ】
| 生理 | 妊娠が成立しなかった場合、子宮内膜が剥がれ落ち、体外に排出される |
| 卵胞期 | 卵巣で卵胞を育てる期間。エストロゲンの分泌が増加し、その影響で子宮内膜が厚くなる。 |
| 排卵期 | 成熟した卵胞から卵子が排出され、排卵が起こる。 |
| 黄体期 | 排卵後の卵胞が黄体に変化し、プロゲステロンを分泌。子宮内膜を厚く保ち、受精卵が着床しやすい環境に整える。 |
黄体期(黄体ホルモン)とうまく付き合うには
黄体ホルモン(プロゲステロン)は、生理前のむくみや眠気、イライラなどの不調に関係することから、ネガティブなイメージを持たれがちです。しかし、本来は妊娠に備えて体を整えるために欠かせないホルモンです。黄体期を快適に過ごすためには、ホルモンバランスを整える生活習慣を心掛けましょう。
日常生活での健康管理がポイント
黄体ホルモンによる不調を和らげるためには、日々の健康管理が大切です 。ここでは基本的な生活習慣の中で心がけたいポイントをお伝えしていきます。
睡眠を取る
一見無関係に思えますが、睡眠不足は女性ホルモンの分泌に影響を及ぼします 。睡眠不足になると自律神経が乱れ、その結果ホルモンバランスが乱れてしまいます。睡眠時間を確保するのはもちろんですが、質の高い睡眠が取れるよう意識しましょう。
バランスのとれた食事をする
バランスの良い食事は基本中の基本です 。栄養素が偏らないよう、食事をとることはできていますか?忙しい女性にとっては手軽に済ませられるコンビニ食などは重宝しますが、サラダや野菜スープをプラスするなど、不足しがちな栄養素を補えるようなメニュー選びを意識してみましょう。
運動習慣をつける
定期的な運動は運動不足解消だけでなく、心のリフレッシュにもなり一石二鳥です 。運動習慣を付けることで血行が良くなり、生理前の厄介なむくみなども緩和できるかもしれません。
【年齢別】女性の病気リスク
年齢とともに女性ホルモンの分泌量が変化するため、ライフステージごとに起こりやすい不調や病気も異なります 。思春期は生理不順や月経困難症など生理に関するトラブルが増え、性成熟期には子宮内膜症や子宮筋腫といった女性特有の病気のリスクが高まります。
また、更年期にはエストロゲンの急激な減少により、更年期障害が起こりやすくなります。年代ごとの特徴を知り、早めに対策することが健康維持につながります。

生理が辛い場合には、専門医に相談を
生理前の不調や重い生理痛など、生理に関する悩みは人それぞれです。症状がつらい場合は、一人で我慢せず婦人科に相談しましょう 。
対処法の1つとして、低用量ピルがあります。低用量ピルは避妊目的だけでなく、生理痛やPMS(月経前症候群)の改善を目的に処方されることも少なくありません。
低用量ピルには女性ホルモンが含まれており、ホルモンバランスの急激な変動を抑えることで、生理に伴うさまざまな不調の軽減が期待できます。
女性ホルモンは心身の健康を支える大切な存在ですが、その変動によって不調が起こることもあります。生理の仕組みやホルモンの働きを理解し、日ごろから生活習慣を整えることが大切です。それでも症状が改善しない場合は、低用量ピルをはじめとした対処法も選択肢に入れながら、自分に合った方法で無理なく付き合っていきましょう。
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監修者
日本医科大学武蔵小杉病院 助教
2015年日本医科大学医学部卒業後、2年間の初期研修を経て、2017年より日本医科大学産婦人科学教室に入局。
大学病院、市中病院、クリニックなど幅広く勤務を経験。
日本女性医学会、日本生殖医学会、日本周産期・新生児学会に所属し、日々最新の知識を習得し、現在は日本医科大学武蔵小杉病院にて助教を務める。
2026年1月に医学博士取得。
2024年にメデリピルにてオンライン診療によるピル処方を開始し、2025年からmederi magazineの記事監修を担当。
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