生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
生理が長いのはなぜ?原因や対処法・病院に行くべき症状を解説
生理の出血が多い、長い、などの症状はありませんか?この症状は要注意です。この記事では、過長月経と呼ばれるそんな症状について、原因や対処法を詳しく解説しています。
もくじ
正常な生理期間はどのくらい?
生理は月に1回” 妊娠の準備 ”をするために必要な現象として、女性に起こります。また、女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。正常の月経周期や生理期間を理解しておくことが重要です。正常な生理期間は、3〜7日程度です。
生理が長いのは過長月経の可能性
8日以上続く生理は、「過長月経(かちょうげっけい)」です。7日経ってもしっかりと出血があり、夜用ナプキンが手放せないなどは、正常ではないといえます。
過長月経を放置すると貧血になる可能性も
過長月経では通常よりも生理の期間が長くなるため、排出される経血の量が多くなって貧血になることがあります。立ちくらみや頭痛になったり、無性に氷を食べたくなったりした場合には、貧血になっている可能性があるため、症状が悪化する前に病院を受診するようにしましょう。
生理が終わらない原因とは
生理が終わらない場合は、何らかの原因がある可能性があります。
ホルモンバランスの乱れ
現代社会における強いストレスや、睡眠不足・不摂生な食事などの生活習慣の乱れ、過激なダイエットなどで、女性ホルモンの分泌が乱れると、生理が長引く場合があります。ストレスを軽減し、生活習慣を見直すこと、過度なダイエット習慣を見直すことが改善に必要です。
更年期
更年期は一般的に閉経前後の5年間を指し、40〜50代の時期に当たることが多いです。この時期は、女性ホルモンの分泌バランスが乱れやすくなります。女性ホルモンのバランスの乱れによって、生理が長引く場合もあります。
無排卵性周期症
無排卵性周期症とは、生理の出血はあるものの排卵が起こらない状態のことです。生理周期が乱れたり、生理期間が長くなったりする場合があります。卵巣機能が未熟な10代や20代の青年期のほか、卵巣機能が低下している40代から50代の更年期に発症しやすいとされています。それ以外にも、ストレスや体重の過不足、卵巣の病気などが原因で発症するケースもあります。
ピルの副作用
低用量ピルを服用していた場合、副作用のひとつに不正出血があります。
低用量ピルはホルモンバランスを調整する働きがあるので、ピルの服用開始時に不正出血が引き起こされることが多いです。
ただし、出血量が多い場合や出血している期間が長い際には、病気の可能性もあるので、必ず病院を受診するようにしましょう。
体が出血しやすい状態にある
血栓症(心筋梗塞・脳梗塞など)の治療で血液をサラサラにする薬を飲んでいたり、病気などの影響で出血を止める力が弱まっていたりすると、出血が止まらなくなるため、通常よりも生理が長引く場合があります。
子宮の病気
過長月経が起こりうる原因として、子宮内で何らかの病気が発生している可能性があります。
子宮筋腫や子宮頸がんなど、病院で検査してみないと判断ができないことから、生理が8日間を超えるのであれば、病院を受診して検査をしましょう。
病気でなかったとしても、何らかの異常が起きている可能性があります。
生理が終わらないときに考えられる子宮疾患
長引く生理の原因として、子宮や卵巣の病気が隠れている可能性もあります。適切な治療を、早急に受けることが重要です。考えられる病気について詳しく解説します。
子宮筋腫
子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。30歳以上の女性の3人に1人は子宮筋腫があるといわれています。子宮の収縮機能を低下させます。そのため、はがれた子宮内膜を外に押し出す力が弱くなり、生理が長引きます。筋腫の大きさが小さかったり、数が少なければ治療の対象にならない場合もあります。
治療法:手術での切除、女性ホルモンの注射
子宮内膜ポリープ
子宮内膜の細胞が増殖してできる、良性のできものです。大きいものだと10cmを超えることもあります。ポリープにより子宮の表面積が大きくなるため、子宮の収縮に時間がかかる結果、生理が長引きます。ポリープの大きさが小さかったり、数が少なければ治療の対象にならない場合もあります。
治療法:経過観察、手術での切除
子宮内膜症
子宮内膜と似た組織が卵巣や卵管などの子宮内膜以外の場所にできる病気です。生理の周期に合わせて子宮内膜が増殖して排出されるため、出血の量も多くなることで、生理が長引きます。
治療法:女性ホルモン剤の内服、病巣切除
子宮腺筋症
子宮内膜と似た組織が子宮平滑筋組織の中にできる病気です。子宮内の壁が厚くなる、子宮が収縮しにくくなる、という特徴から生理が長引きます。
治療法:女性ホルモン剤の内服、該当箇所を焼いたり切除したりする
子宮頸がん
子宮頸部にできるがんのことです。早期発見、早期治療がとても大切です。特に、少量の出血が長期間続く、生理以外の出血がある、といった自覚症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
予防法:HPVワクチン
治療法:一部の切除,全摘出,化学療法,放射線治療など
子宮体がん
子宮体部にできるがんです。生理ではない時期に出血が見られる可能性が高いです。特に、少量の出血が長期間続く、生理以外の出血がある、といった自覚症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
治療法:子宮と卵巣や卵管の摘出、放射線治療、薬物療法など
婦人科を受診する
生理が8日以上経っても終わらない方は、一度婦人科などの専門クリニックの受診を検討しましょう。
加えて、
- ・生理期間が通常よりも3日以上延びている
- ・経血量が異常に多い
- ・レバーのような経血のかたまりが出る
- ・生理痛がいつもより重い
- ・貧血
- ・下腹部が膨れている
- ・下腹部が痛い
- ・むくみがひどい
- ・最近、性交時に痛みが出る
- ・妊娠できない
などの症状がある場合も、早めの受診が必要です。
心配な場合は早めの受診を
これまでこのような症状があった場合や、少しでも気になる症状がある場合には、迷わず専門機関である婦人科を受診しましょう。子宮や卵巣の異常は診察を受けなければ分からない場合が多いです。婦人科の受診は緊張するかもしれませんが、早期発見と早期治療が何よりも大切です。
生理が終わらないときの対処法は?
生理が、なかなか終わらない場合には、なにかしらの対処をしたいと思いますよね。
ここでは、自分でできる対処法を紹介していきます。
過長月経は生理が8日間以上続くことを指しますが、他にも症状があるのであれば、自分で何とかしようとせずに病院を受診するようにしてください。
生活習慣を整える
過長月経が疑われる場合には、基本的に病院を受診することを前提に考えてください。
ただ、生活習慣を整えることで過長月経が改善される場合もあります。
これは、生活習慣の乱れやストレスが原因でホルモンバランスが崩れている場合のみ改善できる可能性がある方法です。
普段の食生活や睡眠時間、生活のストレスなどを見直してみてもよいかもしれません。
しっかり睡眠をとる
前述の通り、生活習慣を整えることで過長月経が改善される見込みがあります。
なかでも、睡眠はとても大切になってきます。
仕事などで不規則になることもありますが、なるべく入浴は就寝時間の2〜3時間前までに済ませ、就寝前はスマホの操作を控えることで、睡眠の質が上がります。
また、朝起きたらカーテンを開けて日の光を浴びることで体内時計がリセットされます。
漢方薬を使用する
漢方薬を服用すると血行などがよくなりやすく、過長月経や生理不順の改善に期待できるとされています。具体的には、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」などの漢方が用いられることが多いです。
低用量ピルを服用する
過長月経の改善においては、低用量ピルの服用もおすすめです。低用量ピルには、ホルモンバランスをコントロールして生理周期を安定させる作用があるため、服用によって経血量の減少や生理期間の短縮などが期待できます。
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まとめ
この記事では、過長月経の原因や対処法を詳しく解説しました。気になる症状や、思い当たる症状がある場合には、すぐに専門機関を受診しましょう。また1年に1回は婦人科検診などを受けて、チェックすることも大切です。中には進行が早い病気もあるので、定期的に継続して自分の体と向き合うようにしましょう。
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