生理は女性にとって健康状態のバロメーターでもあります。
生理の基礎知識や、生理中でも快適に過ごすためのセルフケアをご紹介。
生理が来ないときに妊娠以外に考えられる原因は?妊娠との違いや注意したい疾患も紹介
「生理予定日を過ぎたのに、なかなか生理が来ない……」そんなとき、真っ先に頭に浮かぶのが妊娠の可能性ですよね。しかし、心当たりがない場合や、妊娠検査薬で陰性だった場合は「体に何か異常があるのかな?」と不安になってしまうものです。
生理が遅れる原因は妊娠だけではありません。女性の体はとてもデリケートなため、日々のストレスやちょっとした生活習慣の乱れ、あるいは思わぬ病気が隠れていることもあります。
この記事では、生理が何日遅れたら妊娠を疑うべきかという目安から、妊娠以外に考えられる原因、注意したい疾患まで詳しく解説します。自分の体のSOSに気づき、健やかな毎日を取り戻すための参考にしてみてください。
もくじ
生理の遅れと妊娠の可能性
生理が予定よりも1週間(7日)以上遅れている場合は、妊娠の可能性を考えましょう 。ただし、生理周期が不規則な場合は判断が難しいため、妊娠初期の症状について詳しく解説していきます。
妊娠の代表的なサイン「高温期の継続」
妊娠している場合、生理の遅れ以外にまず現れるのが基礎体温の変化です。通常、生理が始まると基礎体温は一気に低下します。
しかし、 妊娠すると赤ちゃんが育つ状態を保つために女性ホルモンの働きが活発になり、「基礎体温が高い状態(高温期)」がそのまま続きます 。普段から基礎体温を測っている場合は、体温が下がらずに続いているかどうかを1つの参考にしてみましょう。
体に現れる具体的な「妊娠初期症状」
基礎体温の変化以外にも、体にはさまざまな初期症状が現れます 。早い方だとこの時期に「つわり」のような吐き気を感じることもありますが、自覚症状がほとんどない方もいて、かなり個人差があります。自分の体に以下のような変化がないかチェックしてみましょう。
- ・吐き気を感じる
- ・胸が張って乳首が敏感になる
- ・頭痛がする
- ・チクチクとした下腹部痛がある
- ・体がだるくなる
- ・頻尿になる
- ・下痢や便秘、おならの回数が増える
- ・おりものが増える
- ・肌の皮脂が増え、肌荒れが起きる
- ・強く眠気を感じる
- ・食欲が減退する、増進する
生理不順やストレス、ダイエット、何らかの病気が原因で生理が遅れている可能性もあります。
しかし、 どのような原因であれ、生理予定日から7日(1週間)以上経っても生理が来ない場合は、妊娠検査薬を使用して現状を確認するようにしましょう 。
生理が何日も遅れていて妊娠可能性があるときの対処法
しっかり基礎体温計測や生理日管理をして把握できていたとしても、不安になるのが生理の遅れですよね。ここでは1週間以上生理が来なかった場合の対処法について解説します。
妊娠検査薬を使う適切なタイミング
妊娠検査薬は生理開始予定日の1週間以上あと、もしくは性交渉から3週間以上あとが適切なタイミングです 。
妊娠検査薬はあくまで簡易的な検査キットになるので、ホルモン量が少なかったり誤った検査方法で使用したりすると正しい検査結果が反映されません。妊娠検査薬で陰性だったにも関わらず、その後も生理が来ないようであれば再度妊娠検査薬で確認をしてみてください。
産婦人科を受診する適切なタイミング
安定した周期で生理が来ているのにも関わらず、生理開始予定日から1~2週間経っても生理が来ない場合は妊娠の可能性を疑う必要があるので、産婦人科を受診してください。
生理開始予定日から1週間以上経過し、かつ妊娠検査薬で陽性反応が出た場合には、様子を見ることなく早めに産婦人科を受診しましょう 。
そもそも生理は何日ごとに来る?
正常な生理周期は、「生理が始まった日から、次の生理が始まる前日までの期間」が25日〜38日の間とされています 。多少の前後はあっても、この範囲内であれば基本的には正常です。
ただし、生理周期は女性ホルモンの影響を受けるため、ストレスや生活習慣の変化によって一時的に乱れることもあります。
※参考:日本産科婦人科学会「正常な生理(月経)の目安を教えてください!」
生理周期の仕組み
生理の出血が始まってから、次の生理の出血が始まる前日までの1サイクルの期間を生理周期といいます 。この周期は卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類のホルモンによって構成され、4つの期間に分類されます。
| 期間 | 特徴 |
|---|---|
| 卵胞期 | ・卵胞が成長し、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が増加 ・妊娠に備えて子宮内膜が厚くなる |
| 排卵期 | ・成熟した卵子が卵巣から排出される時期 ・エストロゲンの分泌がピークを迎える |
| 黄体期 | ・プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増え、子宮内膜を維持する ・むくみやイライラ、頭痛などの不調が現れやすい |
| 月経期 | ・妊娠が成立しなかった場合、不要になった子宮内膜が剥がれ落ち、経血として体外へ排出される |
生理不順の目安
毎月の周期にばらつきがある場合は、生理不順の可能性があります 。
| 生理周期 | 状態 |
|---|---|
| 25〜38日 | 正常な生理周期 |
| 24日以下 | 頻発月経(ひんぱつげっけい) |
| 39日以上 | 稀発月経(きはつげっけい) |
| 3か月以上生理が来ない | 無月経の可能性 |
生理の遅れや周期の乱れが続く場合は、一人で悩まずに婦人科を受診しましょう。
※初経から数年以内の10代はホルモンバランスが安定していないため、生理周期が不規則になることがあります。
生理が来ないときに妊娠以外に考えられる原因
生理が遅れる理由は妊娠以外の理由も多々あります。この章では、妊娠以外に考えられる生理が遅れる理由について具体的に解説していきます。
性器の未発達
10代のころは卵巣の発達が未熟なため、規則正しく排卵が起こらないことがあります 。体が大人へと育っていくにつれて、生理周期も自然と整っていくケースがほとんどなので、初経を迎えて間もないうちはあまり心配しすぎる必要はありません。
過度なストレス
強いストレスが続くと生理が遅れたり、生理周期が乱れたりすることがあります 。
特に、仕事や学校でのプレッシャー、人間関係の悩み、環境の変化、睡眠不足などが続くと、生理周期に影響が出やすくなります。生理が来ないときは、最近の生活や体調を振り返ってみましょう。
- ・睡眠不足や夜更かしが続いている
- ・仕事や学校、人間関係に強いストレスを感じている
- ・最近、進学・就職・転職・引っ越しなど環境の変化があった
- ・急激な体重の増減があった
- ・激しい運動をしている、または運動不足が続いている
- ・疲れがなかなか取れない
- ・便秘や下痢を繰り返している
- ・風邪を引きやすくなった
- ・生理痛やPMS(月経前症候群)が以前よりつらくなった
- ・気分の落ち込みやイライラが続いている
当てはまる項目が多い場合は、ストレスや生活習慣の乱れが生理周期に影響している可能性があります。
生活習慣の乱れ
不規則な生活や睡眠不足が続くと女性ホルモンの乱れにつながります 。その結果、生理不順を引き起こす原因となることがあります。朝、決まった時間に起きて太陽の光を浴びるだけでも、体内時計がリセットされ、睡眠の質が上がりホルモンバランスの改善が期待できます。
激しいダイエット
厳しい食事制限や運動を伴うダイエットは栄養不足状態になり、女性ホルモンを乱す原因となります 。生命の維持が最優先されるため、脳が「今は妊娠・出産をする状態ではない」と判断し、生理のサイクルをストップさせてしまうのです。3食バランスよく食べ、健康的な体脂肪率を維持することが生理の再開には不可欠です。
更年期
閉経の前後10年間(一般的に45〜55歳ごろ)にあたる更年期には、卵巣の機能が徐々に低下し、女性ホルモンの分泌量が激しく変動します 。これにより生理周期が不安定になり、遅れたり早まったりを繰り返します。
大豆製品(豆腐や納豆など)を意識して食事に摂り入れたり、軽いウォーキングなどの有酸素運動を行ったりして、自律神経のバランスを整えましょう。つらい症状が多い場合は、婦人科でホルモン補充療法(HRT)などの相談をするのも良いでしょう。
病気
生理不順や生理の遅れをきっかけに、卵巣や甲状腺、脳の器官などに何らかの病気を抱えていることが発覚するケースがあります 。生活習慣を見直しても生理が来ない場合は、以下のような疾患が隠れているサインかもしれません。
多嚢胞性卵巣症候群
多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)とは、卵巣の中で卵胞がうまく成熟せず、排卵が起こりにくくなる病気です 。
生理周期が長くなったり、生理が数か月来なくなったりするほか、ニキビや体毛の増加などの症状がみられることもあります。将来的な妊娠にも影響する可能性があるため、生理不順が続く場合は早めに受診しましょう。
高プロラクチン血症
高プロラクチン血症とは、母乳の分泌を促す「プロラクチン」というホルモンが過剰に分泌される状態です 。
妊娠していないにもかかわらず母乳のような分泌物が出たり、生理不順や無月経が起こったりします。薬の副作用や脳下垂体の異常などが原因となることがあります。
甲状腺の病気
甲状腺の病気には、甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)や甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)があります。
甲状腺は、体の代謝やホルモンバランスを調整する重要な臓器です。 甲状腺の働きに異常が生じると、生理不順や無月経を引き起こすことがあります 。また、生理の遅れ以外にも、疲れやすさ、体重の増減、動悸、むくみなどの症状が現れることがあるため、気になる症状が続く場合は医師に相談しましょう。
無排卵月経
無排卵月経(むはいらんげっけい)とは、生理のような出血があっても排卵が起きていない状態です 。
ホルモンバランスの乱れによって起こり、生理周期が不規則になったり、生理が長引いたりすることがあります。見た目だけでは通常の生理との区別が難しいため、気になる場合は婦人科で検査を受けましょう。
早発閉経
日本人女性の閉経は平均50歳前後ですが、40歳未満で生理が止まることを「早発閉経」と言います 。
原因は、卵巣のトラブルや自己免疫の病気、遺伝子の異常、過去の化学療法などで排卵が起きなくなることです。生理が来ないだけでなく、女性ホルモンの低下によって疲労感、のぼせ、ほてりといった更年期のような症状が出ることも特徴です。
若い世代であっても、数か月以上生理が来ない状態を放置することは、将来の健康リスクにつながります。不安なときや、いつもと違う症状がある場合は、我慢せず早めに産婦人科を受診しましょう。
妊娠以外で生理が来ないときに関する質問
ここでは、生理が来ないときに関する質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
妊娠検査薬で陰性なのに生理が来ないのはなぜ?
検査のタイミングが早すぎると正しい結果が出ないことがあります 。また、ストレスや過度なダイエット、睡眠不足、ホルモンバランスの乱れなどが原因で生理が遅れている可能性も。生理予定日から1週間以上経っても生理が来ない場合は、再度検査を行うか婦人科へ相談しましょう。
生理が3日〜4日遅れているだけでも妊娠している可能性はある?
生理が3日〜4日遅れている段階でも妊娠している可能性はあります 。
ただし、生理周期はストレスや体調の変化によって数日程度前後することも珍しくありません。予定日から数日の遅れだけでは妊娠かどうか判断できないため、生理予定日から1週間ほど様子を見てから妊娠検査薬を使用しましょう。
年代(20代・30代・40代)によって、生理が来ない原因は変わる?
生理が来ない原因は年代によって傾向が異なります 。
20代ではストレスや無理なダイエット、生活習慣の乱れが多く、30代では仕事や家庭環境の変化によるホルモンバランスの乱れもみられます。40代では更年期に向けたホルモン変化が影響することもあります。
ただし、どの年代でも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や甲状腺疾患などが隠れている場合があるため、生理不順が続く場合は婦人科を受診しましょう。
まとめ
生理不順は、ストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化など、さまざまな原因によって起こります 。一時的な乱れであれば自然に改善することもありますが、生理の遅れや周期の乱れが続く場合は、婦人科系の病気が隠れている可能性もあります。
生理周期を把握しながら生活習慣を整え、それでも改善しない場合は早めに婦人科へ相談しましょう。生理不順の原因によっては、婦人科でホルモン療法や低用量ピルによるケアが行われることもあります。自己判断せず、医師と相談しながら適切な対策をとっていきましょう。
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監修者
幸の鳥レディスクリニック 医師
岡山大学卒業後、同大学産科婦人科教室・関連病院を経て、現在は幸の鳥レディスクリニックで、不妊治療・生理トラブル・更年期など、幅広く女性ヘルスケアの診療を行う。
2023年にメデリピルにてオンライン診療によるピル処方を開始し、2025年からmederi magazineの記事監修を担当。
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