自分の生理は自分自身でコントロールできる。低用量ピルも選択肢のひとつ

インタビュー
更新日:2024.08.13

 

株式会社arca 代表取締役 / クリエイティブディレクター 辻 愛沙子 さん
= PROFILE =
社会派クリエイティブを掲げ、「思想と社会性のある事業作り」と「世界観に拘る作品作り」の二つを軸として広告から商品プロデュースまで領域を問わず手がける越境クリエイター。リアルイベント、商品企画、ブランドプロデュースまで、幅広いジャンルでクリエイティブディレクションを手がける。2019年春、女性のエンパワメントやヘルスケアをテーマとした「Ladyknows」プロジェクトを発足。2019年秋より2024年3月まで、報道番組「news zero」にて水曜パートナーをレギュラーで務める。多方面にわたって、作り手と発信者の両軸で社会課題へのアプローチに挑戦している。

 

Q.「低用量ピルで生理ケアの日」に賛同する理由を教えてください

これまで私自身が取り組んできたテーマとまさにぴったり重なるなと感じて、迷わず賛同しました。例えば2019年に立ち上げた、女性の健康や社会課題を明らかにし、その解決を目指すプロジェクト『Ladyknows』では、生理や女性のヘルスケアにまつわる発信やイベントを行ってきました。また、様々な番組や記事などを通して、「自分の身体の不調を我慢せず、自分自身で管理することの大切さと、その選択肢を知って欲しい」ということを発信してきました。今回の『低用量ピルで生理ケアの日』制定をきっかけに、自分の心と体と向き合うことが女性だけでなく世の中にとっても非常に大切なことだという認識が広まっていったらいいなと思います。

Q.辻さんご自身はこれまで生理に関して悩んだり、苦労された経験はありますか?

生理痛などの悩みは人並み程度であまり強くはなかったのですが、生理そのものが存在することにストレスを感じてきました。自分から望んでタイミングを決められるわけではないし、そもそも生理期間中ずっと体から経血が流れ出している状況は「そりゃしんどいな」と。仕事やプライベートで多忙になるにつれて、その煩わしさを感じるようになっていきましたね。

Q.辻さんご自身が低用量ピルを飲むようになったきっかけを教えてください

父が医師ということもあり、家庭内で生理という存在にネガティブな印象を持つこともなく、思春期を過ごしました。初潮を迎えた当初から言葉通りの「生理現象」として生理を捉えていて、生理そのものに「恥ずかしい」という感覚もありませんでしたね。

ある時「不調に振り回されないフラットな自分の身体の状態を知りたい」という気持ちから低用量ピルの服用を始めました。私はADHDということもあり、手帳やカレンダーアプリなどで生理を記録することのハードルが高く、次の生理がいつ訪れるか細かく管理するのが難しい状況が続いていたんです。今安定して服用している薬剤に行き着くまでは、自分の体質とライフスタイルに合うものをと、婦人科の先生と相談しながらいくつかの種類を服用してみた手探りの時期もありました。その期間を経て、今では自分にぴったりな超低量のピルに出会えてずっと飲み続けています。生理周期を把握しやすくなって「突然生理になる」という状況なくなり、生理の回数や不正出血もグッと減って、仕事もプライベートも生理に振り回されることなく過ごせるようになりました。

Q.現在、服用率が上がってきているピルですが、今後より女性たちにとって身近な存在となっていくために必要なことについて、お考えをお聞かせください

私の友人や知人は比較的にピルを服用している女性が多い印象があります。日常的に体の課題を話し合える環境があるだけでも、どんな選択肢があるとか、どの婦人科がどうだったとか、自分にとっては何が解決したい悩みだとか、そんな情報をオープンに共有しあえるのでアクセスしやすくなるのかもしれません。最近はオンライン診療に加えて、さまざまな目的で婦人科に足を運びやすくなっていることもあり、心理的ハードルがグッと下がってきているのを感じています。

一方で、世の中を見渡してみると、まだまだ偏見や抵抗感を社会として抱えている段階でもあり、その根本にはおそらく日本特有の「我慢することが美徳」とされる文化が少なからず影響を与えているのではないかなと考えています。

世の中の風潮や、人として持って生まれた特性はなかなかすぐには変えられませんが、しんどいことは無理に我慢せず、自分の心と体、そして生き方は自分自身が主導権を持ってハンドリングしていいものだという考え方がもっと広がるといいなと思います。まずは、ピルには超低用量・低用量・中用量などさまざまな種類があることを知り、それぞれの体質やライフスタイルに合ったものを選択していく姿勢が大切です。自分にぴったりなものを見つけるまでの過程には不安や面倒くささがつきまとう。その気持ちはすごくよく分かります。でもその先に、これまでそういうものだからと諦めていたしんどさや不快感を手放せる、そういうものから解放された自分らしい日常が待っている。そのためにも、もっと日常の中でカジュアルに身体の話やピルを始めとした生理ケアの話題を共有できるようになるといいですね。

Q.女性たちに向けて、大切にしてほしいことなどアドバイスがありましたら教えてください

自分自身を大切にしてほしいです。さまざまな選択を重ねながら人生を歩んでいく上で「こうしないといけない」などのルールはありません。低用量ピルもその中の選択肢のひとつだと思っています。

つらいことや苦しいことに向き合おうとした時に、それらを解決しようとすること自体が大変に感じられて、つい我慢して後回しにしてしまうという場面があるかもしれません。でも、そのほんの一瞬の面倒くささや不安を克服できれば、その先には自分を大切にできる世界がある、と私は信じています。

また、男性を巻き込むことも大切だと考えています。女性がひとりで生理ケアに取り組むのではなく、男性も一緒に学んでいくようなイメージですね。例えば、低用量ピルを服用していることをパートナーに共有し、飲み忘れ防止をサポートしてもらうということもできると思うんです。まずは女性から男性へ、あるいは男性自身が学ぶ姿勢を持って、女性の健康課題や生理ケアについて伝えたり学ぶ環境が男女ともに増えていくといいなと思います。そういう意味でも、学校教育でもまだまだできることはあるように思います。これからの時代、生理ケアやピルの知識を身につけておくことが、女性だけでなく男性にとっても大切なコミュニケーションスキルになっていくのではないでしょうか。

 

※1 初月無料は低用量ピルのみ対象となり、別途送料550円(税込)かかります

※2 低用量ピル/超低用量ピルのみ対象となります

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